肉離れの原因と症状
肉離れというのは、走ったりスポーツをしている時などに急に筋肉が収縮して、
筋肉の組織である筋繊維や筋肉を覆う筋膜が裂けたりして傷つくことを言います。
肉離れは激しい運動を日常的に行っているスポーツ選手だけじゃなく、誰にでも起こります。
治療法を知るのも大切ですが、原因や症状ついても知っておくと予防しやすいでしょう。
肉離れの原因には色々ありますが、
まず運動前の準備運動を十分に行わなかったことが挙げられます。
ウォーミングアップが不十分だと、筋肉が硬いまま運動することにより、
急激に動かされるので肉離れを引き起こします。
特に冬の寒い時期は体が温まりにくく、筋肉が収縮しやすいので注意が必要です。
更に、過度の運動により筋肉に疲労がたまることも原因の一つです。
また、運動をしていても筋肉のつき方に偏りがあるのもよくないので、
体の一部分だけを鍛えるのではなく体全体にバランスよく筋肉がつくように運動しましょう。
普段から運動不足の人が急に激しい運動をすると肉離れを引き起こすことにもなりかねないので、
普段から適度な運動をして筋肉を鍛えておくことも大切です。
肉離れは、ふくらはぎや太ももなど下半身に起こるケースがほとんどですが、
野球やテニスなど上半身も酷使するスポーツをしている人だと背中や二の腕にも起こります。
症状としては、運動をする際に痛みがある程度で筋が軽度な損傷を起こしている最も軽い
Ⅰ度、
歩く際にも痛みがある程度で筋が所々断裂しているのが中程度の
Ⅱ度、
歩くのも困難なほど腫れや痛みがひどく筋が断裂してしまった状態が重症の
Ⅲ度というように3段階に分けられます。
肉離れを起こしても応急処置をきちんと行い、
できるだけ早く正しい治療法を施せばきちんと治るので心配要りません。
逆に、応急処置を怠ると肉離れの症状がいつまでも続いて治りにくくなったり、
何度も同じ箇所の肉離れを繰り返すことにもなるので気をつけましょう。
応急処置
肉離れを起こした際の応急処置としては、
まず患部の筋肉を動かさないように安静にすることが大切です。
運動中ならすぐに運動を止めて、座ったり横になるなど患部の筋肉に負担をかけないようにします。
間違っても、すぐに筋肉を伸ばしたりするためのマッサージなどを行わないよう気をつけてください。
次に、患部の腫れや痛みを抑えるために冷やしていきましょう。
冷たいタオルやタオルにくるんだアイスノンなどを利用して、
15分から20分程度患部をゆっくり冷やしていきます。ただ、
冷やしすぎると寒くなったり皮膚が凍傷を起こすので注意が必要です。
次に、テーピングを使って患部を固定し圧迫する処置を行います。
テーピングを強く巻きすぎると、手足がしびれてくるので様子を見ながら加減しましょう。
そして、患部を心臓より高く上げることで患部にたまった血液の流れをスムーズにし
腫れを和らげる作用があるので行いましょう。
一般的にⅠ度の場合は、応急処置で行った処置を続ければ次第に痛みが改善しますが、
Ⅱ度でも程度がひどい場合やⅢ度になると完全に症状が引かないのがほとんどです。
応急処置が終っても、痛みや腫れが引かない場合はすぐに病院を受診するようにしましょう。
肉離れの治療法
Ⅰ度の場合は安静や冷却やテーピングでの固定などの応急処置を2、3日続け、
Ⅱ度の場合は2週間程度続けて様子を見ます。
Ⅲ度の場合は、応急処置だけではダメなのですぐに病院で診察を受けることが大切です。
肉離れではテーピングを巻きますが、
骨折のように手術などの外科的な治療ではなくは自然の治癒力を高める保存療法を行います。
2週間程度テーピングで固定したり、湿布を貼るなどのケアを行い患部の腫れや痛み、
内出血などが引き始めたら、次に患部を温めて血液の流れを促す温熱療法やマッサージを徐々に始めていきます。
肉離れが起きてすぐに筋肉を動かすことは症状を悪化させますが、
筋肉をいつまでも使わないと筋力が低下してしまうので患部を曲げたり伸ばしたりするといった
軽めのストレッチも行います。
ストレッチやマッサージを続けると、
軽い場合は1ヶ月半ぐらいで傷ついた筋肉の組織が再生されますが、
まだ完全ではないので通常の運動は避けてリハビリに専念します。
少しずつ筋力を鍛えて、筋力が以前の8割程度回復したらいつも行っていた運動が再開できます。
しかし、重症の場合は更に完治までに数ヶ月かかることもあります。
症状が軽くても肉離れは繰り返される可能性があるので、
治療やリハビリをしっかり行い無理をしないことが大切です。